つい最近、友達の音声配信に一リスナーとして参加したことがあります。
その中で、友達が、私がウルトラマンをはじめとした特撮作品が好きなことを紹介してくれました。
その時に出た疑問がこれでした。
「ウルトラマンって正義の味方なんですかね?」
多分、ウルトラマンシリーズが好きな人なら出てこなかった疑問だと思います。
私も疑問に思っていませんでした。
でも、ライトに知っている人はそういう疑問を持っているんだなっていう、純粋な気付きにもなりました。
なので、この記事でしっかりと答えたいと思います。
- ウルトラマンは正義の味方なのか
- ウルトラマンは自分の星を守ろうとする人々に感激して手を貸しただけ
- 怪獣は倒して人間は助ける、怪獣も生きているのに
- 街は破壊しても良いのか
- 怪獣に権利があるのか、バルタン星人問題
- 最後に
ウルトラマンは正義の味方なのか
ウルトラマンシリーズが好きな人でも意見が分かれるところかもしれません。
いや、もしかしたら同じ意見かもしれませんね。
ウルトラマンは正義の味方ではありません。
ウルトラマンが正義の味方ではないと言い切るのには、理由があります。
ウルトラマンは最初、地球人のハヤタ隊員を誤って死なせてしまいます。そこで自分と同化させることで生き永らえさせてあげる、という選択をしました。
ウルトラマンが正義の味方であるなら、こういう始まりはしないでしょう。
もし正義の味方であるなら、美しい星が怪獣によってめちゃくちゃにされて、そこに住む人たちの命が危ないと判断されたとき、さっそうと現れて危機を救ってくれる、そして何も言わずに去る。
そうすれば正義の味方だと判断されることになるからです。
でもウルトラマン第一話は全く違うストーリーでした。
この始まり方ひとつをとっても、私は必ずしも正義の味方だとは言いきれないと判断しました。
現に、後々制作されたウルトラマンネクサスにおいては、怪獣と同じ未知の存在として排除対象に指定されたくらいですから。
普通に考えれば、怪獣という生物と戦ってくれた段階で味方をしてくれるのではないかと判断してもおかしくないですが、それでも怪獣を倒してから今度は自分が我々を襲うかもしれない、とナイトレイダーの隊員は言い放ちます。
結果的には認められることにはなりますが、普通に考えればこっちの判断の方が正しいですし、リアリティーがありますよね。
では、なぜ人間を助けようとするのか。
ウルトラマンは自分の星を守ろうとする人々に感激して手を貸しただけ
自分の星を愛するというのは、ウルトラマンも人間も同じです。
怪獣は地球を力づくで奪おうとします。人間は自分の星を守るために防衛隊を組織し、戦っています。
自分の星を守ろうとして一生懸命に未知の生物を戦おうとした人間に、力を貸しただけの存在です。
本来、地球という場所で戦うことにリスクのあるウルトラマンが、わざわざ自分の命を失いかねない状態で戦っているのは不思議ですよね。
それを正義ととらえるのは、それはそれで間違っていないと思います。
ウルトラマンは、ただ単に自分の星を守ろうとした地球人に対して優しさを示しただけの存在なのです。
優しさというのは、自分のことを差し置いても相手に対して尽くす心のことを言います。
その優しさという言葉を、ウルトラマンは地球人に対して奉仕しただけなのです。
怪獣は倒して人間は助ける、怪獣も生きているのに
人間に対しては優しさを与えるのに、同じように生きている怪獣にはそれを振るわないのはなぜ。
という疑問もその時にもらいました。
これに関しては、明確に答えを出した作品があります。
ウルトラマンコスモスですね。
コスモスは、怪獣も地球に生きている一つの命と考え、それを救うという慈愛の心や共存をテーマにした作品です。
この作品では、怪獣を暴走させるカオスヘッダーという存在が登場しますが、このカオスヘッダーさえも救うというストーリー展開になっていました。
全編通して優しさの意味や共存することができるという思いが込められていて、動物愛護という精神を示してくれた良作です。
コスモスの存在は、怪獣をただ倒すべき存在ではなく、怪獣だって守るべき存在なんだということを示してくれたので、円谷プロならではの疑問に対しての答えですね。
街は破壊しても良いのか
怪獣と戦うと、必ずしも起こるのが街の壊滅です。
怪獣は倒しても、街がバラバラだと何の解決にもなってないのは、確かにそうですよね。
シリーズによっては街を元通りにしてから去っていくというのがありますが、全部が全部そうではありません。
そこに答えを出したのがウルトラマンネクサスです。
ウルトラマンネクサスは、怪獣と戦う際、メタフィールドという特殊なフィールドに怪獣と自らを隔離し、その中で戦います。
そうすることで街や地球を破壊することなく怪獣だけを排除することができるわけです。
疑問をこういった形で解決させるのは、面白いですよね。
怪獣に権利があるのか、バルタン星人問題
少し面白い話をしましょうか。
怪獣に対しても一人の動物として共存することは必要、と示したのがウルトラマンコスモスです。
では、そもそも怪獣に権利はあるのか。
怪獣は、法廷で争うだけの知能はないと説く人もいますが、そうなるとバルタン星人問題があります。
バルタン星人の故郷であるバルタン星は人間の住む地球よりも化学が発展し、知能も高いとされています。
バルタン星人が人間と同じ土俵で争うことは十分可能か、論破されてしまってもおかしくないのです。
そう考えると、人間の言う「法廷で争うだけの知能がない」という主張は通らないですよね。
これに関しては、「ウルトラマン研究序説」という本でこう書かれています。
下等怪獣の権利を認めるにせよ、否認するにせよ、知能を基準とする以上、バルタン星人の権利は承認せざるをえないだろう。
ウルトラマン研究序説より引用
つまりは、バルタン星人が地球に来て、住もうとする権利は、人間に否認することはできないということですね。
これを理解した上でウルトラマンのとった行動を照らし合わせると、ウルトラマンは結局は正義の味方としては正しくない選択をしたということになってしまいます。
星を追われたバルタン星人を救わず、地球人を救ったのですから。
その行動が、結果的にバルタン星人はかなりの数で攻めてくることになり、他の作品でも〇代目として登場することになるのです。
皮肉ですね。
このことからもウルトラマンが正義の味方とは言い切れない部分です。
この本、知らない人もいると思うので、一応リンク作っておきます。
気になる方は手に取ってみてはどうでしょうか。
最後に
ウルトラマンは正義の味方なのか、について書いてみました。
一意見として楽しんでもらえれば本望です。
難しく考えずに楽しむ人もいると思うので、個々の楽しみ方で作品を観ていけばいいと思います(笑)
私はわりとこういうの考えるのは好きなので、気になる疑問があればコメントくださいね。
ではでは。