テレビを観ることが少なくなった現代ですけど、それでも少なからず観ている番組とかはあると思います。
私もほとんどテレビは観ませんが、ドラマ好きなのでドラマだけでは毎日観てます。
テレビを観てて思うのは、「最近のテレビ番組ってCM多くない?」ってこと。
ドラマとかは、昔はそこまで多くCMが差し込まれることはなかったと思いますけど、最近は下手したら4分放送してCMに。。っていうことも多くなりました。
ただ、昔と放送時間は一切変わってないんですよね。
そこで素朴な疑問が生まれました。
「CMが多いってことは、本編の放送時間は減っているのではないか」
と。
気になると調べたくなるタイプなので、早速色んな放送時間の番組を録画してCMをカットして実際の放送時間を調べてみました。
昔の30分番組と今の30分番組
アニメファンや特撮ファンが一番よく観る番組の時間は30分番組ですよね。
30分番組の本編の放送時間は、CMをカットすると24分~25分程度です。これはOPとEDを入れた時間なので、本来の番組本編の放送時間は19分~20分程度ということですね。
つまり、30分番組でCMに使われる時間は大体6~8分程度ということですね。
30分番組に対して10分程度のCMが入るなら1/3程度ですね。それよりはCMの時間が少ないので実際はもう少し本編の方が長いことになります。
東映特撮は放送時間が変わらないのにCM数が多くなった
昔のアニメのCMの入り方は、OP⇒CM⇒本編前半⇒CM⇒本編後半⇒ED⇒予告の順番で構成されていました。
基本的には今もあまり変わってないですが、最近の30分番組はアバン⇒OP⇒CM⇒本編1⇒CM⇒本編2⇒CM本編3⇒ED⇒予告となっていて、間に差し込まれる数が増えています。
アニメに関しては多少作品によって変わってきますけど、大体こんな感じです。
東映特撮も同じだけの数CMが入り、EDがなかった平成仮面ライダーシリーズに関してはEDの代わりに本編の放送時間がある程度長くなっていました。
でも本編の放送時間は変わっていません。
つまり、前半パートと後半パートの間に差し込まれるCMの放送時間分が分散されたということです。
昔のテレビは、動画配信サイトなんてものがそもそもなく、競合が少なかったので、ある程度長くCMを放送しても最後まで観てもらえていました。
が、今はスマホもあればYouTubeやニコニコ動画もあります。個人の配信なんかもあって、競合だらけです。
そうなると1回で放送されるCMの時間が長いと離脱されてしまう可能性があるんです。
その為、1回のCM数を2分前後し、差し込む数を増やすことでバランスをとったわけですね。
放送時間に対して昔の番組との本編時間が変わってないのは、そういうことだと思います。
ただし、CMを分散させた結果CMの数が増えてしまったので、あたかも本編放送時間が減ったように感じてしまう、ということですね。
変則パターンのある30分の音楽トーク番組
夜遅くに放送されることが増えてきた30分の音楽トーク番組ですが、構成がかなり変則であることがあります。
番組構成は、アバン(ゲスト紹介等)⇒CM⇒本編1⇒CM⇒本編2という流れになってることがあります。
これだけ見るとそこまで変わらないように見えますが、実は本編1がかなりの長尺になっていて、間に差し込まれるCMは一見するとないようにも見える構成になっています。
A-Studio+なんかは、本編1のトークや深堀パートに関してを長く放送し、スタジオライブの前にCMが入って、ライブが終わったらそのままEDトークをして終わりといった構成になっています。
25分の本編放送でできるだけ長く楽しんでもらえるようにするための構成になっているので、濃密な内容になっています。
昔の1時間番組と今の1時間番組
1時間番組は、ドラマ、バラエティ、音楽番組など、ほとんどに当てはまります。
放送される番組によって変わってきますが、大体の構成はOP(バラエティ等はここは割愛)⇒本編1⇒CM⇒本編2⇒CM⇒本編3⇒CM⇒本編4⇒CM⇒本編5⇒CM本編6の流れになっているはずです。
本編を前半と後半に分けると、必ず本編が始まってから30分したところで必ずCMが差し込まれます(大体3分半)。
さらに前半のCMは大体2分~2分半くらいのCMですが、後半は3分以上のCMが流れます。
そして、本編が始まった本編1と本編の最後の本編6に関しては長く放送される構成になっていて、本編3の番組前半の終了パートも長く流れる構成になっています。
その代わり、細かくCMが入るパートの部分に関しては4分本編が流れたタイミングでCMを挟むなどの方法がとられています。
その為、細かくCMが挟まるパートに関しては「CMが多いなぁ」っていう印象になるのです。
前半は物語を盛り上げるために短めのCMで引っ張って、後半は目が離せない展開を持ってくることで多少長くCMを流しても離脱されないということなのでしょうかね。
バラエティのCMの差し込み方は昔からイライラが多い
ドラマのCMはイライラすることが少ないと思いますし、音楽番組も同じく好きなアーティストがCM明けで出てくるかもしれないと思うと離脱されることは少ないと考えます。
が、バラエティに関してはそことは一線を画しています。
バラエティの場合、どこで離脱されてもおかしくない番組構成なので、離脱されないようにするためには工夫が必要になります。
その為、「CMのあと○○が大変なことに!?」とか「正解はCMの後で!」みたいなあおりを入れてCM後も視聴してもらおうとする手法が使われます。
これがバラエティでのCMが嫌われる要因ですよね。。
かなり古くからある手法なのに未だに現役で使われている手法なので、一定の効果は常に出ているんでしょうけど、逆を言えば「テレビじゃなくてもいい」に繋がっている要因でもあります。
1時間番組での本編放送時間
1時間番組での本編の放送時間は観てみると大体43分~45分くらい。CMの放送時間は15分程度となりますね。
1時間で15分のCMだと1割以上2割未満っていうところですね。1/6強と考えると多いですね。
CMが長いと言われてもしょうがないかなという結果でした。
昔の2時間番組と今の2時間番組
2時間番組は昔からさほど変わらないような番組構成をしています。
というのも、引きつけておく必要があまりないからです。
2時間以上の番組の場合、YouTubeで言うところの同時接続時間と平均連続視聴時間が長くなる傾向にあるからです。
2時間以上の番組を考えてみるとわかると思います。
- 映画
- 2時間ドラマ
- 音楽番組(大型やスペシャル等)
- お昼のバラエティ
- ニュース
2時間ドラマや映画に関しては、それ1本で物語が完結するようなものなので、結果的に観てしまっているというのが多いはずです。
音楽番組に関しては、好きなアーティストがどこで出てくるのかがわからない以上、最初から流しておく傾向にあるので、連続視聴時間は増えます。
お昼のバラエティに関しては、それしか観るものがない時間に放送されているので、必然的に煽らなくてもある程度観てもらえますよね。
ニュースはこの中では別ですが、そもそも長く視聴してもらうことが目的ではないので、別個と考えてもいいでしょう。
基本的には1時間放送の番組と構成は変わらないことが多い
2時間番組は、1時間番組と構成がほとんど変わりません。
基本的には1時間経った段階でCMを挟み、前半と後半でさらに細かく差し込む感じです。
ただし、世にも奇妙な物語やほんとにあった怖い話のような短編を数本放送するタイプの2時間番組は短編ごとに1回のCMを挟む構成になっています。
これは番組全体は2時間であっても、1ストーリーは大体20分程度なので30分番組と同じような構成になるからですね。
2時間番組でCMをカットすると本編の放送時間は約1時間40分程度。世にも奇妙な物語は2時間10分の放送なのでCMをカットすると1時間50分程度です。
2時間の番組に対して20分のCMが入ることになるので、CMの割合はちょうど1割くらいということですね。
2時間番組になるとCM数は確かに多く感じますが、観てみると1時間番組よりも良心的な時間であることがわかります。
最後に
最後にまとめてみました。
- 30分⇒CM時間6~8分=1/3弱
- 1時間⇒CM時間約15分=1割強
- 2時間番組⇒CM時間約20分=1割
こうやって見ると、法則が見えてきますね。
放送全体の時間に対して大体1割程度のCMが入っていることになります。
つまりは、CMが多くなっているのではなく、CM1回の時間を減らして分散させるようになっただけ、ということがわかりました。
これはYouTubeなどの動画プラットフォームやサブスクの市場拡大を受けたとき、テレビが長く視聴されなくなったことが要因ですよね。
動画はどこでも観ることができるコンテンツとして発展しましたけど、テレビはそうではありません。
大型の機器の前に座って、その時間に観ないと二度と観れないという枷があります。
なので、いかに繋ぎ止めるかと提供元の商品の広告を流さないといけないという2つに板挟みにされつつとった行動がCMの分散だったのでしょう。
しかし、本編の放送時間を削るわけにはいかないので、そこには配慮することも考えるとかなりの努力が必要になります。
結果的にCMが多くても本編の放送時間は変わってないので、観る視聴者がテンポの速い視聴コンテンツに慣れてしまっただけなのかもしれません。
待つことができない人間になってしまったということですかね。