ウルトラマンシリーズは今年で55周年を迎えます。
日本の特撮作品としてはトップクラスの長寿シリーズですね。
また、ウルトラマンの前身であるウルトラQは、円谷プロが初めて大掛かりな特撮技術を使って展開したテレビ作品なので、会社自体もウルトラマンとともに成長しています。
シリーズのファンも多く、今でも新作が毎年制作されたり、YouTubeでの過去作の配信をしてくれていたりと精力的に展開をしてくれています。
そんな歴史あるシリーズですが、ファンになりたての人や、お子さんがウルトラマンにハマって、どれからみせればいいのかわからない、といった人もいるのではないでしょうか?
そんな疑問を、ファン歴の長いウルトラマンマニアの私が独自の視点ではなく、シリーズ全体を見て5つに絞って紹介します。
是非参考になればと思います。
- 最初に観るならコレ!おすすめシリーズ5選
- 初代ウルトラマンをおすすめに含めない理由
- シンプルにわかりやすい作品から視聴するのがいい
- 最後に
最初に観るならコレ!おすすめシリーズ5選
では、実際にどれから視聴するのが良いのかを紹介していきます。
一応全シリーズのDVDやBlu-rayを持っていて、それらを視聴して、その上で今回記事にしています。
ランキング形式ではなく、ランダムに書いていくので、どれから見てもいいようになっています。
ウルトラマンダイナ
わかりやすい主人公とシンプルなストーリー展開
ウルトラマンダイナは、平成三部作の2作目で、ウルトラマンティガと世界観を共有する作品です。
前作ウルトラマンティガのGUTSの隊員が出演したりするなどの演出もあり、ファンには嬉しい作品展開がなされていました。
ウルトラマンダイナの特徴は、
- ストーリー展開がシンプルでわかりやすい
- タイプチェンジの仕様変更
- 主人公がザ・ヒーロー的な性格
です。
ストーリー展開がシンプルでわかりやすい
ウルトラマンティガは、大きな特徴としてダークさを持っているストーリー展開でした。
また、構成がしっかりとしていて、ストーリーにも一貫性があったため、未だにファンからの支持が高い作品です。
が、その反面幅が広い作品なのでお子さんが観るのには理解が追い付かない部分もあるのかなと思います。
単純にティガが活躍しているのを観るだけなら十分だと思いますけどね。
対してウルトラマンダイナは、全体的に明るく、小難しい設定が多く出てこないので非常にわかりやすくなっていました。
話がすっきりと終わるためあとくされがなく、難しく考えなくても理解できるものが多いので、純粋に楽しむのに向いていると言えます。
タイプチェンジの仕様変更
前作ウルトラマンティガから始まったタイプチェンジシステムですが、今作にもあります。
が、その仕様はティガとは違っていました。
一つは単純な力、スピード、バランスという3つではなくなったという点です。
フラッシュタイプバランス型なのは変わりません。ティガであったスピード型のスカイタイプの位置が、今作ではミラクルタイプとなっていて、スピード戦士というよりは超能力を持ったトリックスター的な戦い方をするタイプに変更されています。
ストロングタイプはそのまま力の戦士です。
また、タイプチェンジに合わせて体のラインが変更になるのと、タイプチェンジに制限が設けられるようになっています。
ティガでは、極端な話、マルチタイプ⇒パワータイプ⇒スカイタイプ⇒パワータイプ⇒マルチタイプのような各タイプを行き来するような使用ができる設定でした。
が、ダイナでは一度タイプチェンジをしたら他のタイプに移行することができなくなっています。
フラッシュタイプ⇒ミラクルタイプ⇒ストロングタイプ⇒フラッシュタイプ、というようなことが不可能なのです。
ここも見ている視聴者からしたら手に汗握る部分で、敵に合わせたタイプチェンジの選択を間違ってしまうと途端にピンチに陥ってしまうわけです。
ちなみにミラクルタイプにチェンジしてからパワーで押し負けそうになってピンチに陥るといった話もありました。
この辺は子供からしたらどうやって倒すのかなって思いながら観れるので、楽しいところですね。
主人公がザ・ヒーロー的な性格
主人公のアスカは典型的な熱血タイプで、非常にわかりやすい。
けんかっ早いし、非常に明るくてチームを和ませてくれるポジションです。それに優しいといった裏表のないキャラクターです。
細かく考えなくてもわかる性格なのですっきりと観れます。
ウルトラマンオーブ
キャラクターの掘り下げと、他作品にかかわる重要ポジション
ウルトラマンオーブは、ニュージェネレーションヒーローズの中でも最も過去を掘り下げられた幅の広い作品です。
オーブは比較的最近のシリーズなので、観ている人も多いと思いますが、ウルトラマンZでシリーズを初めて観た人には真っ先に観てほしい作品でもあります(笑)
なんせヘビクラ隊長はオーブで初登場のジャグラスジャグラーさんですから(笑)
オーブの特徴は、
- 過去作のウルトラマンの力を借りて変身する
- 何にも属さない風来坊が今風?
- 過去話が作りこまれていて、ストーリー展開が濃密
です。
過去作のウルトラマンの力を借りて変身する
ニュージェネレーションヒーローは、大体に言えることですが、過去作のウルトラマンの力を宿したアイテムを使って変身します。
オーブは、それがカードです。
また、変身時のウルトラマンに対して「さん付け」をするなどの尊敬の意味が込められていて、非常に丁寧。
子どもの教育にも良い作品作りになっています(笑)
どんな人でもさん付けで呼びましょう!(笑)
何にも属さない風来坊が今風?
風来坊というもの自体が今風ではないかもしれませんけど、考え方を変えれば決まった組織のルールや縛りにとらわれず、自分のやるべきことを自由にやる、というのが今風ですよね。
社会という枠にとらわれずに、自分のことを自分のルールの下で行動するっていうのは、それ自体が憧れる部分ではあります。
その為、風来坊というのがよくわからなくても、自由に生きている人なんだなっていうことがわかるだけでもガイさんのキャラクターがわかってしまう、パワーワードになっています。
この辺は子供には面白いし、大人には憧れになります。
過去話が作りこまれていて、ストーリー展開が濃密
オーブの世界観は、Amazonプライム限定での過去話が展開されるオリジンサーガ、テレビシリーズ、映画で繋がっています。
話が壮大で、テレビシリーズで多少不明瞭だった部分が、オリジンサーガを観ることで理解でき、その上で映画でその後が描かれるので、より理解を深めることができます。
子どもからしたら追いきれないかもしれませんが、テレビシリーズと映画だけでも十分に理解できるようにできているので、それだけでも楽しめます。
ジャグラーに関してはZでちゃんとその後が描かれているという、ファンには嬉しいサプライズも含まれています(笑)
ウルトラマンマックス
原点回帰と、ふり幅の広いストーリー展開
ウルトラマンマックスは原点回帰を目指した平成2期シリーズの中の1作です。
初代ウルトラマン等のシリーズを意識しながらも独自のわかりやすい1話完結のストーリー構成になっているので、何も考えずにただただ楽しむことができます。
ウルトラマンマックスの特徴は、
- ギャグからシリアスまでのふり幅の大きなストーリー
- ウルトラマンの強化がアイテムのみ
- 客演を取り入れて、しっかりと過去作を意識
です。
ギャグからシリアルまでのふり幅の大きなストーリー
マックス最大の特徴は、そのストーリーのふり幅の大きさ。
シリーズ屈指の名作と言われる「第三版惑星の奇跡」のシリアス展開があったかと思えば、「わたしはだあれ」のような逆に振り切ったような話もあるので、とにかくバラエティ豊か。
出演者も振り切って演じてくれているので安心して観られるうえに、純粋に楽しめます。
ことにシャマー星人の回はギャグに振り切っているのでおすすめですね(笑)
どんなストーリーが好きな人でも、必ずヒットする話が出てくると思うので、誰にでもフィットすると思います。
ウルトラマンの強化がアイテムのみ
平成のそれまでのシリーズにあったタイプチェンジシステムが今作では採用されていないので、全編通してマックスは姿が変わりません。
強化アイテムが後半まで出てきませんしね。
強化アイテムを手に入れても、姿を変えるものではなく、武器なので寂しいと言えば寂しいですが、シンプルといえばシンプルです。
その代わり、かなり振り切った戦い方をする回もあり、バルタン星人回では巨大化をさらに上回る巨大戦を展開したり、複数人に分身して空中戦を展開したりと、見栄えで魅せてくれます。
最強最速というコンセプト(というかキャッチコピー)があったので、その辺は意識した画作りになっています。
客演を取り入れて、しっかりと過去作を意識
マックスには初代ウルトラマンでハヤタを演じていた黒部さん、フジ隊員を演じていた桜井さんが別キャラクターとしてレギュラー出演しています。
キャラクターは違うながらも過去作でのキャラクターを意識したような演出もあり、ファンを楽しませてくれています。
かといって新規のファンを置いてけぼりにするようなものは含まれていないので、安心して観れます。
また、初代ウルトラマンに出てきた怪獣や宇宙人も多数出演しているので、過去作へのリスペクトや敬意をしっかりとはらっているのが見て取れます。
ウルトラマンコスモス
異色さと王道の合わせ技が気持ちいい爽やか作品
ウルトラマンコスモスは、2001年に放送が開始された平成2期の1作目です。
シリーズとしては最長の全65話構成となっていて、さらに個別の映画作品が複数制作されています。
コスモスはシリーズの中では多少異色の作品となっていますが、その中でもかなり王道のストーリー展開をしていたりと、センスの光る作品となっています。
ウルトラマンコスモスの特徴は、
- 怪獣を保護する「動物保護」を全面的に取り入れた
- ストーリーを追うごとにタイプチェンジが進化していく
- 主人公の物語が幅広く展開される
です。
怪獣を保護する「動物保護」を全面的に取り入れた
今までのウルトラマンシリーズでは、怪獣は倒されてきた存在でした。
ですが、コスモスではそれをひっくり返し、保護する動きを全面的に取り入れました。
その為、怪獣を倒さないストーリーが多く作られ、倒されるのはカオスヘッダーという怪獣を狂暴化させる存在だけです。
話が進んでいくごとにカオスヘッダー自体も救うことを目指して展開していったりするので、そういう意味での異色さがあります。
が、代わりにむやみに命を奪ってはいけないといった教育的な側面も含まれているので、子供にも安心してみせることができる作品です。
ストーリーを追うごとにタイプチェンジが進化していく
コスモスの魅力の一つは、タイプチェンジの数の多さです。
最初は慈愛のルナモードと戦闘のコロナモードだけですが、回を追うごとに進化していき、テレビシリーズではエクリプスモードが登場ます。
そしてその他にもミラクルナモード、スペースコロナモード、スケルトンコロナモード、フューチャーモードなどが存在します。
強化形態という意味ではまた違ったものもありますが、色々な形態が存在するという意味では、見栄え的にも新しくなるので見てて楽しいです。
主人公の物語が幅広く展開される
コスモスは、テレビシリーズ最長でもありますが、主人公の物語をしっかりと描くこともコンセプトになっているためか、出会いやその後などのストーリーが幅広く展開されています。
コスモス名義の映画も複数放映されていますし、ウルトラマンサーガでもその後の話が多少触れられています。
シリーズにおける客演も非常に多いので、どんどんと世界観を広げている作品でもあります。
それらも含めたファンも多くいるシリーズです。
ウルトラマンX
ニュージェネ版王道ウルトラと新要素
ウルトラマンエックスは、ニュージェネレーションヒーローの中の1作で、「新ウルトラマン列伝」の枠の中で放送された最後の作品となります。
王道展開ながらも新要素も多く、シンプルと複雑が絶妙に絡み合っているのでストーリー展開はそこまで難しく考えなくても楽しめます。
ウルトラマンエックスの特徴は、
- タイプチェンジの代わりにアーマーを身にまとう
- 平成ウルトラシリーズの客演と力の受け継ぎ
- 防衛隊の復活と主人公の物語
です。
タイプチェンジの代わりにアーマーを身にまとう
平成ウルトラマンシリーズは、タイプチェンジという形で姿を変えながら戦うのが一般的になっていました。
が、ウルトラマンXの場合、防衛隊が作り出した怪獣アーマーを身にまとうことで戦い方のバリエーションを増やしていきます。
その為、テレビシリーズ内での最強の姿であるエクシードXになるまでは、アーマーを使って様々な状況に対応していきます。
今までアーマーを身にまといながら戦うといったテレビシリーズはなかったので、非常に新鮮で、かつ新しいアイデアでした。
平成ウルトラシリーズの客演と力の受け継ぎ
平成ウルトラマンは、昭和ウルトラマンとの客演は多くありましたが、平成シリーズとの、それも平成2期以降のシリーズとの客演はほぼありませんでした。
それを実現させたのがウルトラマンXです。
平成シリーズがリアルタイム視聴であるファンからしたら、自分の観てきた作品のウルトラマンが登場るため、テンションが上がりますよね。
また、それぞれのウルトラマンの力を受け継ぎ、それを戦闘で活かしていくといった展開もあったので、今までのニュージェネレーションヒーローらしさも残しています。
防衛隊の復活と主人公の物語
ニュージェネレーションヒーローは、基本的に防衛隊は出てきませんでした。
Xではそれを復活させ、防衛隊の中で働く主人公、という王道の展開を見せてくれたので、「帰ってきた感」があります。
また、バリエーション豊かなストーリー展開の中で、Xの物語が主人公である大地の物語に繋がっていて、それをたった22話で完結させています。
それでいて複雑にならずにまとまっているので、すっきり観れるでしょう。
初代ウルトラマンをおすすめに含めない理由
ウルトラマンといえば、欠かせないのが初代ですよね。
1966年に放送が開始されたウルトラマンシリーズの原点であり、その後の土台となった作品です。
ですが、私は初代ウルトラマンは初視聴にはおすすめしません。
理由は簡単で「特撮の古さや試行錯誤の跡が見て取れるから」です。
初代ウルトラマンは、何もわからないところから様々な工夫をして作品が作られていました。
その為、今見るとところどころに粗が目立ち、少し古さも感じてしまいます。
たくさんのウルトラシリーズを観てきて、その上で初代を視聴するのは楽しみ方も変わってくるのですが、あまり視聴していない段階で観てしまうと、イメージの違いに落胆してしまうかもしれません。
確かに名作ではありますし、今のシリーズの足掛かりとなっている作品なのですが、制作時期が他の有名な特撮シリーズよりも前なので、そういった意味でもある程度の作品を視聴してから観ることをおすすめします。
シンプルにわかりやすい作品から視聴するのがいい
最初に視聴する作品としておすすめしているシリーズに共通しているのは、シンプルでわかりやすく、開口が広い作品である、ということです。
複雑で何回だけど味わい深い作品というのも多く、それはそれで魅力があるのですが、それらを最初に観てしまうと、その後のシリーズへのイメージが良い意味でも悪い意味でもついてしまうので、あまりおすすめしません。
それよりは、とにかくわかりやすく、スッと入ってくるような作品から観て、自分の好きな作品を傾向を見極めてから他のそれらに特化した作品を視聴するようにすると、より楽しめるのではないかと思います。
最後に
55年も続き、ギネス世界記録も持っているシリーズであるウルトラマンは、作品幅が広く、色んなニーズにこたえられるようなものが揃っています。
それゆえにどこから観ればいいのかがわからないっていう疑問も生まれやすいです。
なので、それらの参考になればと思って今回この記事を書きました。
今回おすすめした作品はどれも魅力的なので、ビジュアルで選んでも良いかもしれませんね。
良さそうなものから視聴していって、自分の推しを見つけてみてください。