ウルトラマンマニアのゆうりです。
ウルトラマンは、1966年に「ウルトラQ」が放送されてから50年以上の歴史がある、日本が世界に誇る円谷プロのシリーズですね。
ギネスには最も派生作品が多く作られてるシリーズとして認定されました。
シリーズ全部を含めて全シリーズで1,000話以上あり、キャプテンウルトラやウルトラマン列伝などを含めると、1,100話近くあります。
ここまで数多くの作品が出てると、中には特におすすめな神回がいくつも生まれています。
人によって神回は違うと思いますが、私の中の「観ておいたほうが良い神回」のおすすめを紹介します。
私はストーリーファン
私は、ウルトラマンの作品の中でも、ストーリーがしっかりとしている作品が特に好きです。
また、作品自体の横の繋がりやバックグラウンドの話などを想像するのが私の楽しみ方です。
グッズを集めるファンとか、作品の楽しみ方はそれぞれだと思いますが、私のコレクションは頭の中の知識です。
グッズは天国に旅立ったら持っていくことはできませんが、頭の中のコレクションは天国に持っていくことができます。
私にとって、これが一番の幸せなんです。
そんなストーリーファンな私がおすすめする作品なので、損はさせないと思います。
ただ、あくまでストーリーが秀逸である作品を紹介するものなので、特撮の素晴らしさ、アクションのカッコよさなどは選定基準にはあまり含まれていません。
中には、作品としては非常に地味なものもあると思いますが、深く知ることで新しい面白さやそのシリーズの奥深さをよりたんのうしてもらうことができるのではないでしょうか。
全シリーズ通してのおすすめ回10選
では、ここからは私がおすすめするウルトラマンの全シリーズ通したおすすめのエピソードを紹介します。
今回のおすすめエピソードは、テレビシリーズから厳選しています。そのため、映画やギャラクシーファイト、外伝的なものは含まれていません。
純粋にテレビで視聴ができる作品から選んでいます。
ウルトラQ
毎回1話完結で、主に「自然界のバランスが崩れたらどうなるのか」という想定で描かれています。
アメリカの「トワイライト・ゾーン」を意識して作られていて、そこに怪獣を絡めて作られています。
モノクロ作品ですが、モノクロだからこその不気味さがあります。
各話は独立しているにも関わらず、順々に見ていくとどこかでつながっているようにも見える、という不思議な魅力があります。
6話:育てよ!カメ
ブームは、たった一人の人の行動から生まれる。それを浦島太郎の物語になぞらえて描くコメディータッチの名作。
亀という存在は、いわゆる不思議な世界(異世界)に案内してくれるガイドのような役割を持っています。そして、そこから巻き起こる話は、コメディーながらもどこか怖さも感じます。
ギャングという存在に対して、恐怖を見せずに興味をみせる少年の行動やマシンガンの銃口を自分に向けて空弾を引き続けるなど、子供の怖いもの知らずな所もたった一つの行動でしっかりと見せています。
28話:あけてくれ!
ウルトラQらしい、そして「アンバランス」を描くというのに相応しい1本だと思います。
この作品で出てくる異世界へのガイドは毎日乗る「電車」であり話の案内人としての役割を持った「SF作家友野健二」です。
今いる街から目的となる街へと運んでくれる電車。「もしいつも乗っている電車が異世界に自分を連れ去ってしまったとしたら」、そんな想像が生み出した話としては、実にリアリティーがあります。
そして、人が見ている「今」という現実は、ずっとアンバランスを見せられているのかもしれない、という錯覚さえもさせられてしまうような、ある意味で怖い作品です。
しかし、もしかしたらその異世界の方が理想郷なのかもしれない、とも思わせてくれます。
本編では、行きたい所の例として「電話のない所、締め切りのない所、交通地獄のない所、借金取りのいない所(バーのない所と訂正される)、ごちゃごちゃ人間なんかいない所」としている。
これらは、今現在の人間でも同じではないでしょうか。
「あけてくれ!」は、私がウルトラQ全話を観た中でも、特におすすめな話です。
ウルトラセブン
シリーズ屈指の人気作で、平成ウルトラセブンとして新たに制作されたり、様々客演で登場したりと、話題は尽きません。
ウルトラセブン自体は、ウルトラシリーズの一つとして企画、制作されたわけではなかったためか、どこか独立した世界観を持っています。
その為、様々な新機軸を打ち出したり、挑戦的な作品、訴えかけるよな、考えさせられるような作品が数多くあります。
中でも私がお勧めしたいのはこの1本です。
43話:第四惑星の悪夢
怪獣や宇宙人などを総登場させるといった企画で進行していたにもかからず、物理的に難しいとなってできたのが、逆に一切宇宙人や怪獣が出てこない作品でした。
物語は、スコーピオンというロケットにダンとソガが乗る所からスタートします。
ロケットはコードを外れてしまうが、辿りついたのはアンドロイドなどのロボットが人間を支配する異世界のような場所だった。
全体的な雰囲気は暗く、別の第四惑星となっています。
この話の怖い部分は、やはり「ロボットが人間を支配する」というと所でしょう。
今の現在、AIが発達し、仕事を奪っていくと言われているため、遠くない未来、起こるかもしれないかもしれない、と考えさせられます。
ストーリー自体が良くできていて、昭和43年当時に書かれて放送されていたとは思えない、怖い作品です。
そして、物語の最後に出てくるセブンの行動もいつもとは違ったものがあります。セブンの全話の中でもかなり異色な作品ですが、だからこそメッセージ性とストーリー性の詰まった作品だと思います。
ウルトラマン80
80年代に入って初めてのウルトラシリーズであり、レオからの久々の特撮としてのウルトラマンです。
そして、80年代に唯一作られたウルトラマンでもあります。
制作当時は教員と防衛隊という2足の草鞋でしたが、それも1クールで終了してしまい、それ以降は防衛隊としての矢的猛しか描かれなくなってしまいました。
作風はどこかウルトラQにも似た奇妙な物語が多く、日常にじわじわと忍び込む恐怖が多く描かれていました。
その為、私は昭和のウルトラマンの中では特に好きな作品です。
そんなウルトラマン80からお勧めしたいのはこの2作です。
5話:まぼろしの街
ウルトラマン版の「あけてくれ!」のような作品です。
終電を乗り過ごした矢的が、そのあとにきた電車に乗ってしまう事で、異次元世界に入り込んでしまう、といった出だしから始まります。
物語全体が暗く、短編のドラマとして1本別名義で作れるのではないかというようなストーリーなのも80らしい。
これも普段乗っている電車がこの世と異次元を結ぶキーとなっているので、いつ起こっても不思議ではなさそうな感覚に襲われます。
物語の入り方、中盤の展開、後半の逆転までの流れが非常にテンポよく、30分で上手くまとめているなと思わされる名作です。
26話:タイムトンネルの影武者たち
これは矢的と城野隊員が謎の穴に飲み込まれてしまうところから始まります。
辿りついたのは過去のような世界、黄泉の国。アクゾーンという侵略者によって国を乗っ取られてしまっていて、そこに迷い込んだのが矢的と城野隊員。
自分たちの世界に戻るために、アクゾーンを倒すために行動を起こしていく、というストーリーです。
これも一種の異世界系ですが、日常が少しずつ侵略されていく、というものではないですが、80独特の世界観が展開します。
そして、最後、この作品は穴が開いてから閉じるまでの時間に起こった、というどんでん返しが起こります。
この辺の話の流れはただ巻き込まれて解決してから現実世界に戻ってくる、というだけではないのが「事実として起こったことだけが全てではない」というメッセージになっていてよくできています。
ストーリーが無理やりではないのも脚本家の力を感じます。
ウルトラマンティガ
ウルトラマン80から数えて16年経った平成の1作目として放送されたのがウルトラマンティガです。
ウルトラマングレートとウルトラマンパワードの放送はありましたが、どちらも日本産のウルトラマンではない為、純粋な日本で作られたウルトラマンとしては最初となります。
3タイプにタイプチェンジをする、昭和ウルトラマンとは生まれた星が違う、などの新しい軸を生み出したのもあって、ウルトラシリーズの中でも高い人気を誇っています。
作品自体は王道でありながらも、その中に挑戦的な作品も多かったので、かなりバリエーションは豊か。
ただ、作品全体を通してみると少し暗くシリアスな要素が多く入っていて、大人が観ても十分楽しめるように作られていました。
そんなウルトラマンティガからは以下の作品をお勧めします。
37話:花
監督は、セブンでメトロン星人などの話を担当した実相寺監督。
その為か世界観は他の作品とは一線を画します。
隊員たちの休暇とダイゴのいる仕事場の作戦室という、現実と非現実のような二極化を意図的に生み出し、その設定を上手く活かしたストーリーになっています。
マノン星人が出てくるシーンがどこか現実ではない非日常感を醸し出していて、ティガとの闘いすらも夢の世界のように描かれています。
ストーリーも現実と非現実を行き来するような構成になっていて、少し間違えると崩壊しそうな危うさを保ったまま進むのが素晴らしいの一言です。
ティガの中でもそこまで有名ではない話かと思いますが、ティガの幅広さを存分に活かした1本ではないかと思います。
46話:いざ鎌倉!
カメラマンの星野とその息子のマサトの話を中心に描かれていきます。
コメディータッチながらも、日常に入り込んだ奇妙(怪獣)の話の展開がわかりやすくて見やすい。そして最後は感動で終わります。
そして、怪獣の声が江ノ電の警笛の音とそっくり、というのもよく考えられてるなと思います。
ウルトラシリーズにおいて、電車というのはキーになることが多いのですが、この話は少し方向を変えたストーリーです。
30分の中で、父と子の関係、子供同士の関係、怪獣の親と子の関係がキレイにはめ込まれていて、それでいてキレイにまとまっています。
たった30分で全てのキャラクターとその周辺との関係性を描くのってなかなか難しいものですが、崩壊せずできているのはさすがです。
ウルトラマンダイナ
ティガの後を受けて制作された平成三部作のうちの二作目です。
ネオフロンティア時代の地球を描いています。当時からしたら少し先の未来を描いているのですが、時代設定は2017年なので現在からしたら少し前になります。
ダイナは宇宙を舞台にしている部分が多いため、壮大な世界が展開しますが、ストーリーは全体的に明るめ。
画面自体も隊員数が多いからかかなり華やかで個性が際立っていました。その為、多種多様な話が多く、日常感たっぷりな物語が少なかった印象でした。
中でも私がお勧めしたいのは以下です。
20話:少年宇宙人
地球で普通に暮らしている少年。
でも本当は地球の人間ではなかった、という物語から始まるダイナにしては珍しい方の日常奇妙系な話です。
ラセスタ星人は、母星を失い、新天地を求めて色んな星をさ迷い歩いています。
そんなラセスタ星人の少年は、新天地を求めて旅をしないといけないという使命があり、ラセスタ周期5歳、地球の年齢で10歳の時に新しい惑星を探しにいかないと元に戻ることができなくなってしまう。
この話は10歳の子供3人に起こった小さな話ですが、規模が壮大な上に、子供の友情もしっかりと見ることができます。
地球人は異星人に対して敏感で、敵意があると判断してしまいます。子供通しの空気感と大人の空気感の違いが前半で描かれますが、後半にはしっかりとした感動が待っていて、キレイにまとまっています。
シンプルに泣けます。そして応援したくなる。
ストーリーの本筋とは直接かかわってくるものではないですが、それゆえ自由に作られていて、見ごたえはしっかりとあります。
友情は、人間間だけで作られるものではない、偏見なく受け入れれば誰とでも友情は作れる、そんな事を再確認させられるような話です。
ウルトラマンマックス
コスモスから数年経って制作されたウルトラマンマックス。
原点回帰を目標に掲げて、1話完結のわかりやすい作品が多かったマックスですが、シリーズ屈指の名作や迷作があり、非常にバラエティにとんだシリーズとなりました。
ファンの中でも名作と言われる「第三惑星の軌跡」が有名ですが、今回は別の名作をお勧めします。
22話:胡蝶の夢
話の主人公はテレビの脚本を書いている蓮沼という男性。
しかしいざ書こうとすると眠くなってしまい、夢の世界に。そんな中夢の中で起こったことを脚本として書いたところ、それが高く評価されます。
そして、その夢の中ではウルトラマンマックスの話を書いている、というのが話のベースです。
ウルトラマンという存在が現実のものなのか、それとも脚本家の空想の中だけのものなのか、というテーマを持たせているのが面白い。
脚本家の本作の主人公は、特になんの変哲もない普通の人なのに、映像は夢なのか現実なのかわからないようなふわふわしたところをさまよって終わります。
こういう独特の世界観を持った話ができるのがマックスの特徴でもありますし、ストーリー展開もシンプルながら現実をリンクしているっていうのがいい。
この作品の監督も実相寺監督です。こういう独特の世界観を演出しながらもちゃんと話をまとめているっていうのはさすがですね。
ウルトラマンオーブ
ニュージェネレーションヒーローとして平成後半に作られたウルトラマンの中の1作であるオーブ。
Amazonプライム限定のオリジンや映画などを含めて一つの大きな物語になっているのが特徴で、その世界観を余すことなく堪能することができます。
普通は本編25話という短いクールの中に情報を詰め込むのは非常に難しいものですが、それをキレイに見せてくれた作品です。
世界観が大きい割には本編で描かれたのは一つの街の物語なので、風来坊という設定が活かしきれていない感じもありましたが、映画等を含めてみると、これが正解だったんだと感じさせてくれます。
それだけ、凝った作品だったということですね。
22話:地図にないカフェ
カフェというのは、現実世界とは違った空間が広がっているので、どこか異空間のような感覚があったりします。
それを上手く話しに落とし込んだのがこの話だと思います。
非常に奇妙なセリフから始まり、そして見えないカフェを訪れ、そこで話のほとんどが出来上がっている、という知らない間に異空間に入り込んでいたパターンな話です。
こういう奇妙な話は好物です。
この話もオーブの本筋とはあまり密接にか関わってくるものではありませんが、こういう箸休め的な話にこそ名作が埋まっていると思います。
この話の前に合った出来事で出てきた星人たちのバックグラウンドを知ることもできて、ちゃんと話として別扱いになっていないのも良いですね。
ストーリーはレオの最後から何年も経っているような背景がありつつ展開しているので、過去作とのリンクもバッチリしながらも独自のストーリー展開を見せてくれます。
しかもそれが無理に入り込んでないのが良いですね。
まとめ
今回のおすすめの回は、どれも作品の本筋とはちょっと違うような部分のものばかりだと思います。
しかし、そういう作品にこそ名作があると思っていて、私はそういうものの方が特撮が凄いとかアクションがかっこいいとかよりも好きです。
ドラマがしっかりとしていてこその特撮だと思うので、派手なものよりは意図をくみ取ると味わい深いスルメのようなものにこそ名作が眠っているものです。
印象の薄い作品ばかり紹介しているかもしれませんが、一度見てみてください。作品の奥深さや幅広さ、メッセージ性など、違った視点で楽しめると思います。
ウルトラマン関連の記事
ウルトラマン関連の記事もいくつか書いているので、是非一読してみてください。
きっと、新しい発見があると思います。
こちらはウルトラマンの公式年齢を人間の年齢に計算し直した記事。
こちらはウルトラマンの種族に関する記事。
こちらは視聴率まとめの記事。