ゆうりの日常

イラストレーターであり絵本作家でもあり、シンプリストでもある。ちびキャラ記事、シンプル生活の記事、商品レビュー、イベントレポートを中心に記事を執筆中

絵本における文章構成の考え方

絵本においての文章は、絵では補えない物語を紡いでくれる大事な存在です。

 

その一方で、絵で表現する部分も多くなるためあえて説明しないように削ることも必要になってきます。

 

絵と文章のバランスを考えながら文章を書かないといけないのです。

 

その為、小説やマンガ以上に頭を使う作業です。

 

説明しすぎてしまうと文章が長くなってしまい読みづらいものになってしまいますし、説明しなさ過ぎな上に絵まで説明していないものにしてしまうと何も伝わらなくなってしまいます。

 

また、文章の書き方によってニュアンスが大きく変わってしまうのでブログとかで文章を書くよりも大変で繊細な作業なのです。

濁点の使い方

絵本においては、濁点の使い方が重要になります。

 

例えば、

 

「ビターちゃんは言いました」と書くのと「ビターちゃんは、言いました」と書くのとでは読んだ時のニュアンスが大きく変わります。

 

前者はすんなりと思ったことをビターちゃんが言おうとしているんだなっていう印象を与えることができます。

 

ですが、対して後者は少し言いづらいことを言おうとしているのかな、という印象を与えてしまいます。

 

その為、場面によっては濁点を使わないこともあります。同じ言葉でも使わないといけない時にはあえて使うようにしています。

 

ビターちゃんのその時の想いによって書き方を変えていかないといけないのです。

 

とくに子どもが読むのが前提の絵本。言葉を素直に受け取ってしまうので意図していないことが伝わってしまうと絵とのミスマッチに困惑させてしまいます。

 

慎重になる必要がある部分なのです。

 

濁点の使い方はそれだけではありません。

 

漢字を使わずに文章を作る際、どうしても読みづらさや意味の変わってしまいそうになる場面というのがあります。

 

そういう時も、意図的に濁点を使って区切ることで意味を正確に伝えるという方法にも使ったりもします。

嫌いと苦手の使い分け

現状は、絵本には嫌いや苦手といった言葉は出てきていませんが、これも使う場面を考えないといけません。

 

嫌いという言葉は、存在そのものを否定してしまっている言葉なので、安易に使うわけにはいかないんです。

 

なのであえて苦手という言葉を使うことになります。

 

苦手という言葉は、相手の存在は認めたうえで自分はそれが得意ではないという意味合いになるので、否定的ではなく自分の主張になります。

 

もしこれから私が描く絵本の中で使うとしたら、そのキャラクターの内面を考えた上でどっちを使うのかをチョイスするでしょうね。

削っていく作業

あえて文章で書かなくても絵で表現できることも多くあるのが絵本です。

 

なので、説明的すぎる部分は削って絵に任せてしまう選択も必要になります。

 

1作目ではあえて説明した部分もありますが、2作目以降はそれも削っているところもあります。

 

削って文章で書かないことで絵から情報を得てもらえるので、その人の感性によって見方が変わります。

 

それも読書の良さだと思うので、そういう部分は大事にしています。

 

全部を説明してしまい、物語を文章で追わせてしまうと「じゃあ小説でいいじゃん」となってしまいます。

 

私が描いているのは絵本なので、絵から絵らえる部分と文章から得られる分で住み分けをしていくことがとても大事になるのです。

 

絵本が完全分業にならないのはこういうのがあるからだと思います。

 

絵本は基本的にはほぼ一人で完成まで持っていく仕事スタイルの人がほとんどです。

 

最近は文章と絵で違う人が担当していることもありますが、上がってきた絵を編集の人がチェックし、文章も同時にチェックしながら削る部分を直していく作業になるのです。

 

でもこれが一人なら最初から「ここは絵で表現した方がいいかな」とか「これは絵では表せない部分になるから文章にしたほうがいいかな」というのが、制作しながらできます。

 

なので編集の方も修正案を出しやすいんですよね。

 

絵本が一人の作家によって作られている背景は、ここが大きいんだと思います。

 

人魚の絵本を描いた時、文章を別の人にお願いしたんですが、やっぱりここにはかなり苦しみました。

 

文章担当の人は自分の物語を全て文章で表したくなってしまいますので、すり合わせする必要があるんです。

 

絵本の文章の難しさはやっぱりここにあるんだと思います。

ビターちゃん絵本は少しだけ文章多め

ビターちゃんの絵本は、最後のビターちゃんの言葉に私の作家として伝えたいことが詰まっているので後半はどうしても文章が多くなりがちです。

 

それをどう削ってすっきりさせるのかは、苦労が絶えない部分です。

 

ビターちゃんにどう言わせたいのかを考えるのも大変で最後まで調整したりします。そしてその上でもっとスマートにしてちゃんと伝わるようにするにはどう言葉を変えていけばいいのかをずっと悩みながら書いています。

 

なので出来上がったものは私の中では最も文章量が少なく、伝えたいことをダイレクト伝えることができている最良の正解だと思っています。

 

ビターちゃんの絵本の中で一番頭を使うのはここですね。

最後に

絵本における文章の考え方について書いてみました。

 

絵本って、簡単なようでいてすごく頭を使うんです。

 

漫画家さんと話をした時「絵本作家は頭がいい人が多い」と言っていました。

 

自分でこうやって言語化してみると、確かに色んなことを同時に考えながら一つの作品を作っているなぁと改めて思いました。

 

頭がいいかどうかはわかりませんが、考えることが多いのが絵本作家という仕事なんだと思います。

 

絵本って簡単じゃないなって思います。

 

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