絵を再開してから色んなものを描いてきました。
頭身の高いキャラクターを描こうとしたときもありました。
でも全然できませんでした。
そこから2頭身の絵なら描けるかもしれないと思って、思い切って2頭身に絞って勉強と練習を繰り返してきました。
そしたらそれがある程度形になって、今の絵柄の基礎が形成できました。
この絵柄をどんどん進化させていき、今の形があります。
が、人によっては「商業的には・・・」と茶を濁した言い方をする人もいます。
要するに「この絵柄は売れない」と言っているのと同じですね。
絵本にアニメ的な構図はいらないという人もいる
絵本を描き始めてから、私の絵は昔よりも自由になったと実感しています。
色んなものが描けるようになり、苦手だったものもある程度描けるようになりました。
プロの絵本作家さんと話した時、その方は「絵本が絵本らしくあるべき姿」というのをその人なりの軸をしっかりと持っているタイプの人でした。
私の作品を見てもらった時、絵と文章が並んでいるだけのものになっている、という意見をもらえました。
その時は、1枚絵で勝負をしてきた関係でまだ混ざってないんだなって思いました。
今書店に出ている先輩たちの絵本をたくさん読んで、自分なりに解釈をしてから修正をしました。
そうやって描いたうえで「ビターちゃんのふしぎなカフェ」は出来上がったんです。
長編作品として世に出した後、ある時じっくりと言葉の意味を考えてみたんです。
すると、多分「私の絵はアニメのように構図がしっかりとしているものになっている」と言ったのかもしれないという意味にも取れると思ったんです。
プラスで「この絵柄だと難しいかもしれない」とも言ったのかもしれないと感じました。
その時、「絵本には構図はいらない。平面的でわかりやすいものでなければいけない」という言葉の裏が見えてきたんですよね。
この考え方に至った時、私の中では「自由であっていい」という思いがこみ上げてきました。
絵本として場面を切り取った絵である必要はありますが、それ以上のルールはないんです。
形式的なルールはあれど、作品の作り方も絵での表現の仕方も自由なんですよね。
漢字だって読みやすいから使ったっていいわけです。
アニメ的な構図の絵が並んで立って良いわけです。
私のような絵柄の絵本があったっていいわけですよね。
「この絵柄は売れない」なんてことはないはずです。
絵本以外の絵が描けなくなった時期からの脱却
一時期、絵本以外の絵が描けなくなった時期がありました。
ちょうど3ヶ月くらい前ですね。
あれから少しの間は、やっぱり絵本以外の絵が描けなくなりました。
でもそこから自分を少しずつ解放してあげて、4ページ絵本を通して心を癒していました。
そしてついにそこから少しですが脱却することができるようになりました。
それが久しぶりに描いた絵本以外の絵の七夕の絵です。
この絵を描いた時から、物語がなくても自分の中の表現したいものを素直に絵に描くことができるようになりました。
とはいっても、そこまで数を多く描くわけではありません。
昔みたいに2日に1枚のペースで描いてた時よりも数は圧倒的に減りました。
絵本の制作をしないといけないっていうのがあるのでしょうがない部分ではあります。
もっと言えば昔よりも自由に表現することができるようになりました。
描きたいものに向き合い、絵に向き合っていくことができるようになりました。
心に余裕が生まれたからかもしれない
私がまた絵本以外の絵が描けるようになったのは、多分ですけど心に余裕が生まれたからかもしれません。
七夕の絵を描いた時、実は絵本の出版がほぼ決まりかけていた時期でした。
自分の仕事が一つ形として成り立つことができるようになったから、それで何かしらの糸が緩んだのかもしれません。
心に余裕が生まれるようになると、人は柔軟になれるんだと思います。
私は、自分の中では心に余裕を持っているつもりでしたけど、それがいつの間にかそうではなかったんだということに気づきました。
今は自分の子供を世に送り出すことができたので、あとは嫁ぎ先に届き、読んでなにかを感じてもらえれば作品は初めて完成します。
そこまでいけば私の仕事は一つ終わります。
プロの絵本作家としてデビューし、その上で作品を届けられる。
その事実が、私を心の余裕に引き戻してくれました。
この絵柄じゃ無理って言われましたけど、手にとってくれる人がいて、それを読んでくれる人がいる時点で「そんなことは一切なかった」と思えました。
じっくり絵を向き合った作品
ある意味でのリハビリ期間を終えて、今の私の絵がこちらです。
向日葵をテーマに、蝶々姿のミルクさんで空を飛ぶビターちゃんの絵です。
正直描くのに3日、時間にして6時間程度かかりました。
1枚の絵にここまで時間をかけて描いたのはかなり久しぶりです。
絵本の絵でも2時間程度で描くことが多いので、これはここ最近での一番の大作かもしれません。
そもそも絵本だと場面的に描きこむ量がそこまで多くないっていうのはありますけどね(笑)
シンプルに見えますけど、かなり細かく描きこみました。
シンプルであればあるだけ難しいものですね。
この絵を描き終わった時、正直まだまだ描けそうな気はしました。
でもこれ以上描くと逆にうるさいかもしれないと思い、ここで完成としました。
しっかりと描く部分と、ある程度描き飛ばした部分がありますけど、メリハリをつけたので、わりと気に入ってます！
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